「生物の物理的理解に対するこだわり」 美宅成樹 リレーエッセイ1-14
生物の物理的理解に対するこだわり 元日本生物物理学会会長 美宅 成樹 研究者には、それぞれ独自のこだわりというか、面白いと思うポイントとなる疑問があると思います。私にも研究者キャリアを通してのこだわりがあります。ここではそのこだわりの疑問がどのように形成され、どのように解答を追求してきたかについてのお話をして、若い人たちの参考にしていただければと思います。 私が物理を志したのは、大学に入ってからで […]
生物の物理的理解に対するこだわり 元日本生物物理学会会長 美宅 成樹 研究者には、それぞれ独自のこだわりというか、面白いと思うポイントとなる疑問があると思います。私にも研究者キャリアを通してのこだわりがあります。ここではそのこだわりの疑問がどのように形成され、どのように解答を追求してきたかについてのお話をして、若い人たちの参考にしていただければと思います。 私が物理を志したのは、大学に入ってからで […]
物理オリンピックの経験と工学 2012年タイ大会 佐藤 遼太郎 私は現在、民間企業で音響等のメディア情報を扱う信号処理技術の研究開発を行っています。これまで本エッセイを執筆されてきたIPhO出場者の方々は比較的物理学の研究を継続されている例が多いのに対し、現在の私はかなり工学寄りの分野に属しています。ここでは現在の私の立場から見た物理学やIPhOの役割について感じていることを記そうと思います。 私 […]
「国際物理オリンピックに参加して」 2008年ベトナム大会 松元 叡一 私が物理学に興味を持ったきっかけは、まさしく物理チャレンジ・オリンピックへの応募でした。以前に情報オリンピックなどに参加していたこともあって、他の科学オリンピックも受けてみるか、と軽い気持ちで応募した覚えがあります。 最初に衝撃を受けたのは物理オリンピックの問題の面白さでした。代表候補になった人は大会の過去問などを解いて勉強し […]
「物理を離れて気づく物理の面白さ」 2008年ベトナム大会 吉田 周平 何か特別なきっかけがあったわけではありませんが、幼い頃から理科が好きでした。一般向けの科学書を読んだり、少し離れた街にある科学館に行ったりするのが好きで、テレビの向こうにある世界に憧れるように本の向こう側にいる「科学者」という人たちへの漠然とした憧れを持っていました。中学に入ってからは数学やプログラミングに関心を広げ、高1の時 […]
「物理コンテストに参加して」 2007年イラン大会 髙倉 理 髙倉 理名前が「理」であることからもわかるように、私は完全に理系の両親に育てられた。小学生の頃から頻繁に大阪市立科学館に通い、青少年のための科学の祭典などのイベントに参加したり、原子力発電所の見学会に参加したりしていた。特に、おもちゃのような簡単な実験装置の工作が面白かった。また、一般的な家庭用ゲーム機は買ってもらえず、代わりにパソコン […]
ある高校物理教師のつぶやき4題 喜多 誠慶應義塾名誉教諭日本物理教育学会理事(副会長) 答えられなかった課題:「何故近代自然科学はヨーロッパで誕生したか?」この課題は1973年4月国際基督教大学の新入生に向けて,大学教授が提示したものである。「新入生諸君,これから4年間の間に以下に提示する4つの課題を解いてほしい。」と教授が提示した4つの課題の内の1つである。この年の3月に卒業したばかりの私は,何 […]
モーター作りから始める 梶田 隆章東京大学宇宙線研究所 よく、なぜ物理学に興味をもったのですか、と聞かれます。私の場合、明確なきっかけはなく、学校で普通にいろいろと学び、宇宙のことや小さな世界のことを少しずつ知るうちに、更にもっと知りたいという興味を持つようになったというのが正直なところだと思います。 私の進学した高校は田舎である程度の伝統があり、文武両道のような雰囲気の高校でした。そのため、高校 […]
モーター作りから始める 有馬 朗人元東京大学総長、元理化学研究所理事長元文部大臣、元科学技術庁長官兼務 物理学に興味を持ったきっかけは人それぞれであるが、私の場合は電動モーター作りと電池式ラジオ作りであった。小学校4年生の夏休みに、ブリキ板を長方形に切りそれをΩ型に曲げ、二つの脚の部分に縜巻銅線を巻いて電磁石を作った。また丸い鉛筆を二センチメートルぐらいに切り、それに縜巻銅線を巻き、芯をぬいてそこ […]
「国際物理オリンピックに参加して」 2012年エストニア大会 中塚 洋佑 僕にとって物理への興味のきっかけは、物語へのワクワクだった。 子供の頃、僕はファンタジー小説を読み漁っていた。指輪物語を読んだことはあるだろうか?あの世界では魔法によって出来事・物事が説明される。少年の頃の僕は、大いに物語の世界観にのめり込んだものだった。もう少し成長すると、今度は自分たちが今生きている世界はどういう原理で働 […]
「物理の種を播く人たち」 2006年シンガポール大会代表 野添 嵩 私は現在ニューヨーク大学で、微生物実験と理論物理学を組み合わせて研究するグループに所属し、細胞集団の増殖過程に関する研究を行なっている。大学院に進学する際、生命現象を物理学の視点で研究したいという思いから、微生物の1細胞計測実験を行う研究室を選んだ。実験の意義や魅力を知ったのは高校生のときに物理チャレンジ/オリンピ […]