「モーター作りから始める」 有馬 朗人 リレーエッセイ1-11
モーター作りから始める 有馬 朗人元東京大学総長、元理化学研究所理事長元文部大臣、元科学技術庁長官兼務 物理学に興味を持ったきっかけは人それぞれであるが、私の場合は電動モーター作りと電池式ラジオ作りであった。小学校4年生の夏休みに、ブリキ板を長方形に切りそれをΩ型に曲げ、二つの脚の部分に縜巻銅線を巻いて電磁石を作った。また丸い鉛筆を二センチメートルぐらいに切り、それに縜巻銅線を巻き、芯をぬいてそこ […]
モーター作りから始める 有馬 朗人元東京大学総長、元理化学研究所理事長元文部大臣、元科学技術庁長官兼務 物理学に興味を持ったきっかけは人それぞれであるが、私の場合は電動モーター作りと電池式ラジオ作りであった。小学校4年生の夏休みに、ブリキ板を長方形に切りそれをΩ型に曲げ、二つの脚の部分に縜巻銅線を巻いて電磁石を作った。また丸い鉛筆を二センチメートルぐらいに切り、それに縜巻銅線を巻き、芯をぬいてそこ […]
「国際物理オリンピックに参加して」 2012年エストニア大会 中塚 洋佑 僕にとって物理への興味のきっかけは、物語へのワクワクだった。 子供の頃、僕はファンタジー小説を読み漁っていた。指輪物語を読んだことはあるだろうか?あの世界では魔法によって出来事・物事が説明される。少年の頃の僕は、大いに物語の世界観にのめり込んだものだった。もう少し成長すると、今度は自分たちが今生きている世界はどういう原理で働 […]
「物理の種を播く人たち」 2006年シンガポール大会代表 野添 嵩 私は現在ニューヨーク大学で、微生物実験と理論物理学を組み合わせて研究するグループに所属し、細胞集団の増殖過程に関する研究を行なっている。大学院に進学する際、生命現象を物理学の視点で研究したいという思いから、微生物の1細胞計測実験を行う研究室を選んだ。実験の意義や魅力を知ったのは高校生のときに物理チャレンジ/オリンピ […]
「国際物理オリンピックに参加して」 2007年イラン大会 森田 悠介 このリレー・エッセイのお話を頂き、なぜ物理学に興味をもったか?という点について自分自身で改めて過去を振り返りながら筆をとっている。現在はレーザーを用いた光物性物理学の研究に携わり、日々物理学に接している。物理学は物事のなぜ?と向き合う学問であるという点で自分の性に合っていたというのが興味をもった理由といえるが、そもそも触れる機会 […]
2020年4月 IPhO2023日本大会には、約90の国と地域から450人に及ぶ物理分野で極めて優れた高校生が訪日し、理論と実験の難問に挑戦するとともに、将来、世界で活躍が期待される高校生に、日本の様々な文化・社会に触れて貰い、我が国の良き理解者となって貰いたいと思います。そこで、異文化間の相互理解に寄与し、日本と世界を結ぶ人材、地球的課題に取り組む人材養成を目指している東京外国語大学と、世界と日 […]
物理学と哲学 田島節子大阪大学理学研究科 研究科長・教授 なぜ物理学の道に進まれたのですか、とよく聞かれます。(女性が珍しいからでしょうか。)私が物理学に強く惹かれたのは、それが哲学に通じるものであると感じたからです。10代の頃この世に神は存在するのか、宇宙はどうしてできたのか、自分はなぜ今ここにいるのか、というようなことを問い続けていました。自分が死ぬまでに是非「なぜ自分が生まれてきたのか」を知 […]
社会の中の物理学 中村道治科学技術振興機構顧問 小学2年生の頃、父がノーベル賞を受賞されたばかりの湯川秀樹博士の伝記本を買ってきてくれました。終戦後これからの日本がどうなるか不安が漂う中で、子供ながらも元気づけられて、自然を支配する原理を究めようとする物理に興味を持つようになりました。また同じ頃、ノーベル賞の生みの親であるアルフレッド・ノーベルの伝記も読み、科学技術が如何に社会の発展に役立つかを知 […]
「国際物理オリンピックで得たもの」 澤岡洋光 2013年デンマーク大会 澤岡洋光 私のこれまでの24年の人生の中で最も刺激を受けた一週間を挙げるならば、間違いなく2013年の国際物理オリンピックの一週間でしょう。この一週間を通して、私はその後の人生で大きな武器となる「宝物」を手に入れることができました。 物理オリンピックに実際出場するまでは、そこに大きな「宝物」が眠っていることなど知る由もありませ […]
スーパーサイエンスハイスクール 山形大学名誉教授結城 章夫 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)は、高等学校の理数系の研究活動や教育を支援するための事業です。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が事業の実施主体となり、全国に約5千ある高校の中から200校余りをSSHに指定して、5年間にわたり、生徒の研究活動や研修活動などを支援します。文部科学省が約22億円の予算を確保して、毎年1千万円前 […]
国際物理オリンピックに参加してからの14年を振り返って「田中 良樹」 2006年シンガポール大会代表 田中 良樹 私は、日本が初参加した2006年の国際物理オリンピック(IPhO)シンガポール大会に参加した。それから14年の月日が経ち、現在は日本の理化学研究所とドイツの重イオン研究所を拠点として原子核物理の研究(実験)を行っている。振り返ってみると、間違いなくIPhOへ参加したことが、物理の研究者 […]